展示会への出展が決まったものの、どうすればブースに人を集められるのか分からず悩んでいる方は少なくありません。会場には多くのブースが並ぶため、準備をせずに当日を迎えると、来場者に気づかれない、ブースが見劣りする、商材や内容とのミスマッチで誤解を生むなど、ひいては企業や商材のマイナスな印象を招きかねない事態になることもあります。
本記事では、展示会のブース集客を「事前・当日・事後」の役割に分けて整理し、来場者を増やすための事前準備と、当日ブースに足を止めてもらうための仕掛けを解説します。あわせて、限られた小間数や予算でも実践できる集客アイデアと、集客でつまずきやすい原因と対策も紹介しますので、ぜひ出展準備にお役立てください。
展示会のブース集客は「事前・当日・事後」で役割が異なる
ブース集客の施策は、取り組むタイミングによって果たす役割が変わります。
同じ「集客」という言葉でも、事前にできることと当日にできることは別のものです。まずは全体像を押さえたうえで、自社がどこに力を入れるべきかを判断していきましょう。
出展目的によって集客の考え方は変わる
集客の設計に入る前に、今回の出展で何を目的とするのかを整理しておく必要があります。
展示会での集客は、大きく次の2つのパターンに分けられます。
パターン | 狙い | 重点を置く施策 |
①指名来場型(見込み客・既存客を呼ぶ) | 自社の見込み客や既存顧客を会場に招き、その場で商談につなげる | 招待状・メール・個別アポイントなどの事前施策 |
②会場露出型(来場者全体に広く披露) | その業界に関心のある来場者が多く集まる前提で、自社の取り組みや商品・サービスを広く見てもらう | ブースの視認性・デザイン・演出などの当日施策 |
この2つはどちらか一方を選ぶものではなく、多くの場合は両方を組み合わせて設計します。
ただし、どちらを主軸に置くかで予算の配分先は変わります。既存顧客との商談を重視するなら事前のアポイント獲得に、新規の認知獲得を重視するならブースの見せ方に比重を置くのが基本です。
事前・当日・事後それぞれの役割
3つの段階は、次のように役割が分かれます。
- 事前:来場者に「このブースに行く理由」をつくる段階。招待状や事前アポイントで、当日の通行量に左右されない来場者を確保します
- 当日:会場で気づかれ、足を止めてもらい、記憶に残る段階。通行者の大半は事前に自社を知らない層であるため、成果の大きさはここで決まります
- 事後:会期中に得た接点を商談へ進める段階。会期後すぐに動ける体制を整えておきます
とくに重要になるのが当日です。会場には同じ業界の出展社が並び、来場者は限られた時間のなかで立ち寄るブースを選んでいきます。
そのなかで「遠くからでも目に入る」「前を通ったときに何の会社か分かる」「見た内容が記憶に残る」状態をつくれているかどうかが、獲得できる接点の数を大きく左右します。事前告知や事後フォローを整えていても、当日のブースが埋もれてしまえば、会場で新たに出会えるはずだった来場者を逃してしまいます。
【事前】来場者を増やすための集客方法
当日いきなり集客するよりも、事前に「行く理由」をつくっておくほうが確実に人を呼べます。
ここでは、既存顧客・見込み客への告知と、新規来場者への露出を分けて考えていきます。
招待状・メール・SNSで告知する
既存顧客や過去に接点のあった名刺リストへ、招待状やメールで案内を送ります。
このとき、展示会名・会期・会場・小間番号まで明記しておくと、来場者が当日ブースを探しやすくなります。招待券が配布される展示会であれば、あわせて送付するのも有効です。
新規の来場者に向けては、主催者の出展社ページや自社サイト、SNS、メールマガジンでの発信が入口になります。主催者サイトの出展社情報は来場前にチェックされることが多いため、掲載できる項目は埋めておくとよいでしょう。
目玉となる展示内容を事前に公開する
事前告知は「出展します」という事実の告知だけでは、来場の動機になりにくい面があります。
当日その場でしか見られないものを具体的に示しておくと、来場者の予定に組み込まれやすくなります。
- 新製品・新サービスの初公開:「展示会で初公開」と明示することで、見に行く理由が生まれます
- 目玉となる展示・実機デモ:普段は見られない実機や大型の展示物があれば、写真とあわせて予告します
- ブース内セミナー・登壇情報:開催時間を先に出すことで、その時間に合わせた来場を促せます
- 限定コンテンツ:会場限定の資料配布や診断企画なども、来場の後押しになります
すべてを事前に見せきる必要はありません。「何が見られるのか」は伝えつつ、実物や詳細は会場で確かめてもらう構成にすると、期待感を保ったまま来場につなげやすくなります。
事前アポイントで当日の商談を確保する
重点顧客や商談化が近い見込み客には、個別に連絡して当日の商談枠を押さえておきます。
アポイントが入っていれば最低限の商談数が読めるため、スタッフの配置計画やブース内の商談スペースの設計も立てやすくなります。
会期は数日間にわたることが多いため、混み合う時間帯を避けて枠を設定するのもポイントです。来場者側も他社のブースを回る予定があるため、所要時間を伝えたうえで打診するとよいでしょう。
【当日】ブースに足を止めてもらう集客方法
来場者は通路を歩きながら、一瞬でどのブースに立ち寄るかを判断しています。
そのため当日の施策は、気づいてもらう → 足を止める → 話しかけるという順番で設計すると整理しやすくなります。
通路から目を引くブースデザイン・レイアウトにする
まず必要なのは、遠くからの視認性です。
高い位置に社名と訴求メッセージを掲げ、通路の先からでも「何の会社か」が分かる状態をつくります。壁面に情報を詰め込むほど読まれにくくなるため、遠くから読ませる要素と、近くで読ませる要素を分けて配置するのが基本です。
あわせて、入りやすさも確認しておきたい点です。通路側にテーブルやカウンターを置くと入口を塞いでしまうため、開口部は広く取り、来場者が足を踏み入れやすい雰囲気をつくります。
照明を追加して自社ブースの明るさを周囲より一段上げるだけでも、通路からの印象は変わりやすくなります。
デモ・実演やノベルティで立ち寄るきっかけをつくる
製品のデモや実演は、足を止める効果が高い施策です。
動いているものや音が出るものは通行者の視線を集めやすく、自然に立ち止まる導線になります。実施する場合は、通路側から見える位置に配置し、所要時間を掲示しておくと立ち寄りのハードルが下がります。
ノベルティは、配って終わりにしないことが重要です。名刺交換やアンケート、簡単なヒアリングとセットで設計し、「受け取った人が誰なのか」が残る形にしておきましょう。
スタッフの声かけとトークで通行者を呼び込む
ブースの前で立ち止まってもらえるかは、スタッフの一言目にも左右されます。
「よろしければご覧ください」だけでは足を止める理由が伝わりにくいため、来場者の課題や所要時間が分かる言い方に変えておくと反応を得やすくなります。
- 「〇〇の管理に課題はありませんか」(相手の課題に触れる)
- 「3分でデモをご覧いただけます」(所要時間を示す)
- 「本日初公開の〇〇を展示しています」(その場の価値を伝える)
こうした声かけは、事前にトークを統一しておくことで当日のばらつきを抑えられます。
また、スタッフがブースの奥に固まってしまうと入りにくい印象を与えるため、通路側に立つ役割と、商談を担当する役割を分けて決めておくとよいでしょう。
展示会ブースの集客アイデア|人が集まる仕掛けの例
予算や小間数が限られていても、企画の工夫によって来場者の関心を引くことはできます。
ポイントは、会場のなかで印象に残る要素を用意することです。
デジタル演出で会場内での印象を残す
近年は、物理的な面積に左右されにくいデジタル演出を取り入れるブースが増えています。限られた小間数でも見せ方で差をつけられるため、小規模出展でも検討しやすい施策です。
- 透過LEDディスプレイ:映像を流しながら奥の展示物も見せられるため、視線を集めつつ圧迫感を抑えられます
- VR・AR:大型設備や施工事例など、現物を持ち込めないものを体験として見せられます
- 大型モニターでのループ再生:スタッフが接客中でも、映像が代わりに要点を伝え続けます
などなど
映像や体験コンテンツは、その場でしか味わえない要素として記憶に残りやすい一方、内容が長すぎると離脱を招きます。通行者が立ち止まったまま見終えられる尺に収めることを意識してみてください。
1小間など小規模ブースでも実践できるアイデア
- 訴求を1つに絞る:展示物を絞り込み、伝えるメッセージを1つに特化させる
- 縦方向を活用する:タペストリーや吊り下げサイン、縦型モニターで視認性を確保する
- 手元で見せられる形にする:タブレットやサンプルを用意し、通路際でも説明できる状態にする
- 写真を撮りたくなる要素をつくる:象徴的な展示やコピーを1点置くことで、SNSでの拡散も期待できます
体験・参加型の企画で滞在時間を伸ばす
診断コンテンツやミニセミナー、クイズ形式の企画など、来場者が参加できる仕掛けは滞在時間を伸ばしやすくなります。
参加をきっかけに自然な流れで会話が始まるため、いきなり商談の話に入るよりも心理的なハードルが下がります。
企画を用意する際は、参加後に何を渡すか(診断結果、資料、担当者の名刺など)まで決めておくと、その後のやり取りにつなげやすくなります。
ブース集客でよくある失敗と対策
集客がうまくいかないケースには共通するパターンがあり、事前に対策できるものも多くあります。
ここでは代表的な2つを取り上げます。
事前告知が十分でなく、当日の通行量に頼ってしまう
来場者の多くは、事前に出展社情報を確認したうえで回るブースを決めています。
ある調査では、展示会に行く際に事前にどのようなブースがあるかを「チェックする」と回答した人が70.3%にのぼったと報告されています。事前告知をしていない場合、こうした来場者の検討対象に入らないまま会期を迎えることになります。
最低限、既存顧客への案内と主催者サイトへの情報掲載は済ませておきましょう。あわせて、目玉となる展示内容を先に公開しておくことで、検討段階での比較にも残りやすくなります。
参考:【展示会の回り方】70.3%が展示会に行く際、事前にどのようなブースがあるのか「チェックする」その理由は?
集客できても商談・フォローにつながらない
人は集まったのに成果につながらない場合、原因は「誰と何を話したかが残っていない」ことにあるケースが多くあります。
名刺を集めるだけで終わると、会期後にどこから連絡すべきか判断できず、結果的に接点が放置されてしまいます。
対策としては、次の3点を会期前に決めておくことが有効です。
- 会期中に見込み度をランク分けする:名刺に課題・検討時期・興味のあった展示をメモし、その日のうちにランクを付ける
- その場で次の約束をつくる:関心の高い来場者には、会場で個別打ち合わせやオンライン商談の日程まで打診する
- フォローの担当と期限を先に決めておく:会期後に誰がいつ連絡するかを決めておき、優先度の高い相手から順に着手する
あわせて意識したいのが、当日のブースでどこまで印象に残せているかです。会期後に連絡を受けた来場者が「あのブースか」と思い出せる状態であれば、その後のやり取りは進めやすくなります。
フォロー体制の整備と、当日の見せ方の工夫は、どちらも商談化に向けて必要な要素といえます。
ブース集客の企画に迷ったらプロへの相談も選択肢
ブース集客は、事前告知から当日の演出、運営体制の設計までを限られた期間で並行して進める必要があります。
とくに当日の見せ方は、会場の規模や周囲の出展社との兼ね合いにも左右されるため、経験がないと判断が難しい部分です。
レイのコミデでは、出展目的の整理からブースのデザイン・施工、映像やデジタル演出、当日の運営までを一貫してご支援しています。
「小間数が限られているなかで何を優先すべきか知りたい」「前回は人が集まらなかったので見直したい」といった段階からのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
レイのコミデはイベントプロデュースカンパニーです!
イベントの企画や実施を検討されている方はぜひご相談ください。
レイのコミデ編集部
Contact Us
ご質問、お取引のご相談は
下記からお願いします。